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アニメ「プラネテス」で見た宇宙が抱える社会問題

2014.10.07
開発者News

1999年からモーニングに連載された漫画「プラネテス」をご存じでしょうか?

私は2003年にNHKで放送されたアニメ版を見たのですが、内容は2070年代、人類が宇宙開発を進める中、宇宙に散らばったゴミ(スペースデブリ)が社会問題となっており、主人公はこのスペースデブリの回収業者として描かれていました。

デブリの正体は、過去に打ち上げた宇宙船の燃料タンクや宇宙で爆発した人工衛星など、つまり人間の出したゴミです。

アニメを見て初めて知ったスペースデブリという言葉ですが、現実にも宇宙にはデブリが無数に存在し、5〜10mmのデブリが宇宙船に衝突すると弾丸を撃ち込まれるのと同じ被害があるそうです。

そんな危ないデブリを避ける為10cm以上のデブリを観測し、その軌道をデータ化しており、IT技術の進歩によりデブリの軌道計算が細やかに行えるようになった事で、国際宇宙ステーション(ISS)では、10cm以上のデブリに対しては軌道変移して避けているそうです。

NASAのシミュレーションによるとデブリ同士が衝突し、新たなデブリが発生するというサイクルを繰り返し、デブリが自己増殖する「ケスラーシンドローム」という状態になる可能性があるらしく、デブリ対策は世界中の課題となっております。

スイス連邦工科大学が、2016年にデブリを回収する宇宙掃除機「クリーン・スペース・ワン」を打ち上げるプロジェクトがあり、まさにプラネテスの世界の第一歩が始まろうとしています。
現在デブリ除去の方法として有力視されているのは、大きなデブリに関しては宇宙掃除機で回収。

まだまだ課題は多いですが細かなデブリに関してはレーザー照射により除去。
そして東京IT新聞に掲載されていたのは、日本企業が開発した宇宙網でデブリを包み、軌道を下げる方法が注目されているそうです。

我々IT業界が貢献出来るとするならば、今後増え続けるデブリの情報共有技術の発展や、ケスラーシンドロームによって細かく散らばったデブリの軌道を計算する事くらいですが、デブリ同士がどんな状態で衝突したか明確でないだけに、現在の技術ではあくまでも理論上の変数を定義する事しか出来ないでしょう。

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